昨日発売のサンデー毎日。
(この時期は、サンデー毎日から目を離せない)
全国主要2409高校の「有名大学合格者数」が掲載された。
ここからわかることは、各高校から各大学へ「何人合格したか」である。
(ちなみに、現役と浪人の合計人数)
私立大学も掲載されているけど、私立大学は「延べ人数」の掲載で、「実人数」がわからないから、今回は「旧帝大+東工・一橋」の難関9国立大学を取り上げた。
(延べ人数とは、一部の優秀な生徒が1つの大学で複数学部に合格すると、1人で複数人分のカウントとなる。たとえば、1人で早稲田の政経・商・教育の3学部に合格すれば、「合格者3名」となる。)
で、千葉県の主な公立高校からの「難関9国立大学」合格状況をまとめてみた。
高校名 | SS | 卒業生 | 東大 | 京大 | 北海道 | 東北 | 名古屋 | 大阪 | 九州 | 東工 | 一橋 | 合計 | 割合 |
県立千葉★ | 70 | 309 | 21(8) | 10(4) | 4 | 10 | 1 | 5 | 2 | 11 | 8 | 72 | 23% |
県立船橋 | 70 | 353 | 21(17) | 8(3) | 6 | 13 | 2 | 5 | 5 | 21 | 20 | 101 | 29% |
東葛飾★ | 69 | 311 | 8(5) | 4 | 3 | 1 | 11 | 5 | 32 | 10% | |||
薬園台 | 65 | 310 | 0 | 0% | |||||||||
小金 | 65 | 312 | 1 | 1 | 1 | 3 | 0.1% | ||||||
県立柏 | 64 | 314 | 1 | 1 | 2 | 4 | 0.1% | ||||||
柏南 | 61 | 350 | 0 | 0% |
※ 東大・京大の( )内の数は現役合格の内数。
※「★」マークは附属中学校があり、約80名が中高一貫教育を受けている。
どうだろう。
まぁ、詳しい方からすれば、「わかりきった」結果と思うかもしれない。
しかし、何も知らない中学生や、一般的な保護者にとっては意外なのではなかろうか。
で、僕が注目したのは次の2つ。
1、県立船橋は県立千葉を抜いている!?
これは、僕も正直驚いた。だか、現実の数字である。
と同時に、勇気ももらえる数字とも思った。
と言うのは、25%の子が「中高一貫教育」を受けている県立千葉よりも、
「公立中学+公立高校」で育った「県立船橋」の方が、東大の現役合格者数も、難関9大学合格者の合計数も、多いのだ。
これは今までになかったことで、毎年、県立船橋が高校受験で高倍率になる中、確実に実力を上げてきたことの証明にもなる。
対する県立千葉や東葛飾は、中高一貫組を含む以前と比べて大きな伸びは、無い。
しかもだ、「公立中学+公立高校」でも、これだけ伸ばせる環境があるということ。
別に、中高一貫を否定するわけではないが、「公立中学+公立高校」では環境が悪いなどと決めつけてかかることの方が問題であると思う。
中高一貫教育を信奉し、これから県立千葉中や東葛飾中を受験しようと必死に対策させている保護者達には、ぜひ目を覚ましていただきたいとさえ思う。
中高一貫だから大学受験で大成功するというのは、紛れなき幻想なのである。
「公立中学+公立高校」でも、一生懸命努力すれば、十分な成果をだすことができる。
とにかく、勇気をもらって、毎日の小さな努力を積み重ねていってほしい。
2、千葉・船橋・東葛飾と小金・県柏の差
こちらは毎年変わらず、わかりきったことではあるけど、
僕の目の前にいる子たちや保護者の顔ぶれは毎年違うからね。
だから、今年も書いたり話したりする。
トップ校と2番手校というのは、高校受験の偏差値では4ポイントとか5ポイントの差でしかない。
(模擬試験によっては3ポイントほどしか変わらないこともある)
まぁ、大きいように見えるんだけど、偏差値4ポイントって、5教科500点満点で考えると、だいたい36点くらいの差。(おおよそ1ポイント=9点)
5教科で36点差というのは、1教科あたりだと「7点」程度だよね。
これって、高校入試では1教科「2問」とか「3問」分の差ってことになるんだ。
1教科2,3問って考えると、大して大きな差には見えないよね。
実際に、高校受験段階ではそこまで大きな学力差が生じている訳じゃないだろう。
しかし、高校に進学して、3年たって、大学受験のフタを開けてみると…
表の合格者数でわかる通り、こんなにも大きな差が、歴然と現れるのである。
これがわかっていれば、
「高校受験の1問、あの1問にもっと気持ちを込めていれば…」
って感じる人もいるんじゃないかな。
中学を卒業する時点での学力差は1教科2,3問程度でも、
その2,3問を甘く考えた(そういう訳じゃないかもしれないが)結果、
与えられた「高校3年間という環境」に、大きな差が生じているわけだ。
トップ校に進学するか否か。
それで、旧帝大など最難関国公立大に進学する扉が「開かずの扉」状態になる。
トップ校を目指したい、とか、難関国公立大に進学したいと思うなら、
簡単にトップ校受験を諦める訳にはいかない、そういうことじゃないだろうか。
ただ、大事なことはもうひとつ。
浪人を含めた割合で、県船橋なら29%、東葛飾なら10%が「難関9国立大学」に合格しているが、残りの大多数は、それ以外の大学へ進学、または浪人しているということになる。
いいかな?
難関9大学(旧帝一工)に29%。
その他の大学に71%。
29%には浪人を含むから、その他の大学は75%を超えるかもしれないね。
つまり、4人に3人は、その他の大学に行く。
私大なら…と思うかもしれない。しかし、これに見合う「早慶」なんて簡単には合格しない。
難関9大学(旧帝一工)レベルの学力が必要だ。
そう、県立船橋や東葛飾に「合格するだけ」じゃダメってこと。
合格するためだけの受験勉強、そんなの意味ないからね。
高校に入学してから本当の勝負が始まる。
その勝負に勝てるような「学習姿勢」「学習法」=「自学力」を持つか否か。
それを、高校入学後に…なんて思っていたら、君は”深海魚”確定なのである。
こういう現実があるから、プラス進研は今年から国語と英語の確認テストの合格点を満点にしたんだ。
もっと、もっと、前向きに上を目指してほしいというのはもちろんだけど、
「1問」への執着心というものを、もっともっと強く育てたいから。
目の前の1問をクリアすることで、見える世界が変わる。
来週から全学年で確認テストが始まる。
とにかく「1問」に執着せよ!
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