昨日のブログで、推薦基準の上げ下げは各私学の「学則定員」や県からの「補助金」の影響があるって書いた。
今日は、もう1つの事情について書いておこう。
それは、
内申点と学力の相関が崩れてしまっている
ということ。
どうやら、公立中学校が与えている内申点が上昇傾向にあり、内申基準を維持すると受験生の学力が下がっていく傾向があるようだ。
千葉県の公立入試が前期後期制だった4年前までは、各中学校の平均内申点を算出し、基準値を「95」として中学校間の格差を是正していた。
しかし、入試が1本化されるのを機に、この調整がなくなった。
その影響もあって、推薦で受験させるためなのかはわからないけど、内申点をかなり甘くつけている学校があるみたいだ。
だから、私学の先生の中には、
「ここ数年、内申点があてにならない」
っておっしゃる方もいる。
私学側も困っていると思う。
だって、中学校の校長の判がある「学校推薦」で受験している以上、よほどの理由がない限り不合格にはできない。
学校推薦は「私学と中学校の信頼関係」で成り立っているからね。
だからと言って、入学しても授業についてこれない生徒を受け入れるのにも、限度があるだろう。
結果として入学した高校を卒業できない子が増えてしまうんだから。
ある高校の先生が言っていた。
「内申が『〇〇』の子が入学してきても、親大学にはほとんど入れなくて、最後は高校の責任みたいに言われてしまう。
学校生活を不自由なく送れて、きちんと親大学に進める子を預かると考えると、内申基準は引き上げざるを得なかった。」
これは本音だと思うよ。
ギリギリの学力で入って来た子を、補習やら課外授業やら個別指導やらで必死に手をかけるといっても限界があるからね。
預かる以上は最後まで責任を持ちたい
そんな私学の思いもあるのだと思っている。
だから推薦基準を引き上げるというのは、高校の良心と考えることもできるよね。
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