さっきの記事で書きたかったこと。
私立高校だって、
推薦基準を引き上げたら受験生が困る
ってことくらい重々わかっているよ。
それでも、引き上げるのには学校にも”事情”があるんだ。
それはね、「学則定員」と「補助金」というやつ。
私学は入学すると授業料がかかるよね。
これは私学の経営資源だ。もちろん、20,000円以上かかる受験料だってそうだ。大切な経営資源。
いわば「会社」みたいなものだから、入学してもらえなければ経営は成り立たず破綻してしまう。
潤沢な経営資源に支えられて、質の高い教育が受けられるのが私学最大のメリットだ。
だから、受験は私学にとってある意味の「ビックビジネス」と言えよう。
しかし、各私学には地域の子どもの数や学校の規模に応じて「学則定員」というものがあって、これには県の認可が下りている。
ここ数年の私学人気で、定員以上に入学者が集まる「定員超過」が続く私学も非常に多い。
しかしだ。
「定員超過して稼ぎ放題」が許されるかというと、そうじゃない。
定員超過を続けていると、私学側にはある種のペナルティがある。
それが県からの「補助金」ね。
私学は、経営資金のうち不足分を補助金で賄うことができるんだけど、定員以上の入学者に恵まれた場合、「授業料が多く集まる」ということで、定員超過率の具合により、補助金が全額または一部カットされてしまう。
それでは困るということで、断腸の思いで翌年の入学者数を調整しようということになる。
で、どのように調整するかというと
●推薦基準を引き上げる
●推薦入試を廃止する
これだよね。
推薦基準を引き上げたり、推薦を廃止して学力重視の入試で合否判定をすれば、入学してくる子どもの学力は必然的に上がるよね。
入学者の学力が上がれば、大学入試の実績も少しずつ伸びていく。
こうして、人気私学は見かけの偏差値が上がっていくというわけだ。
最近、「進学実績が伸びてます」的なキャッチコピーで受験生にアピールする私学が散見されるんだけど、
僕からすれば「そんなの当たり前じゃん!」って思う。
私学が子どもたちを伸ばしているというよりも、入学者の学力が上がっているんだから。
むしろね、入学者の学力が上がっている割に、大学入試の実績は今ひとつっていう方が千葉県内は多い気がしている。
まぁ、今回はそういう話じゃないので、この辺にしておこう。
ということで、推薦基準を引き上げたり、推薦を廃止したりする私学側にも事情があること、理解していただけるだろうか。
そんな理由、受験生に寄り添っていない!と言われればそれまでかもしれない。
だけど、制度としてそういうものがある以上、現状ではどうすることもできないでしょ。
採点方法が変わったことに不平不満を言って失望させるアスリートと同じになってしまう。
変わることができるのはだれか?
受験生本人と家庭での教育でしょ。
私学人気の時代に合わせて、困らないだけの成績を取れるような、そういう心がけが早期から必要だってこと。
大きな制度を変えるより、個人単位で動く方がよほど柔軟に対応できるし時間もかからないんだからね。
ちなみに、プラス進研は個人塾だからね。
そういう部分にも素早く柔軟に対応していける。
僕たちもメリットを最大限に生かして取り組んでいきたい。
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