昼に更新した受験情報ブログ↓
簡単に言えば、業者テストの偏差値を使って、入試の確約判定を行うのをやめましょう
と、埼玉県が各私学に通知したというものだ。
埼玉県の中学校は入試相談を行わないから、受験生と私学で単願も併願も優遇(というよりほぼ確約)を約束しちゃう慣習があるんだけど、埼玉からの受験生を抱える首都圏の私学はどこもやってること。
ただ、業者テストの「偏差値」で判定するのはどうか?
ということなんだけども。
これね、「公平性」とか言われちゃうと難しい問題を孕んでいることは間違いないと思うよ。
けどね、地域の学力格差や中学校の内申格差を考慮すると、「偏差値の方がよほど公平だ」という声があることも事実なわけ。
特に、埼玉県の場合、「北辰テスト」(業者テスト)を9割の受験生が受験していると言われていて、
仮に、受験生の9割が受験している業者テストであれば、公平性も担保されているのではないかという向きもある。
実際に、内申点が5教科で25の子でも、偏差値が60しかない子と70ある子が存在する。
「偏差値の10ポイント」って、学力テスト得点に換算すると「5教科で90点~100点の差」があることになるわけよ。
公立高校でこの学力差があれば、偏差値60の子が偏差値70の学校には、まず合格できないだろう。
しかし、私立の場合、内申点が25であれば、単願だろうが併願だろうが、推薦制度のある偏差値70の高校なら合格できてしまう。
こちらの方が、入学後を考えた場合に、よほど酷なのでは?という意見もある。
そして、僕は完全に偏差値重視派だ。内申点なんてあてにならんもの。
だから、私学の先生と話をする機会には、「ぜひ埼玉方式も取り入れてほしい」と言っている。
実力もないのに内申点だけで進学して、うまくいかない事例を何度も見ているしね。
それに、「学校間格差」も大変に由々しき問題で、内申点なんて信用性「ゼロ」に近いよ。
これは、各私学の先生も痛感している所で、そりゃ、偏差値を見たいでしょ、ってね。
特に「学力特待」なんていうのは、学校の「進学実績」の看板になってもらわないといけない生徒だから、偏差値が気になるのは当然だと思う。
みんな、学校間の格差とか、どれほどにあるのか、詳しく知らないから、その辺を甘く見てしまいがちだけど、柏市内だって学校間格差すごいからね。
私立は「学校経営」もかかっているから、「本当に実力のある子」を事前に取り込みたい思惑があるだろう。
野球やサッカーなど、スポーツのスカウティングで特待生を出すように目立たないけど、
勉強面のスカウティングであって、やってることは変わらないんよ。
スポーツならクラブチームとか部活とかいくつもの窓口があるだろう。
でも、学力って難しいよね。塾を通す?と言っても、それこそ塾に通わない優秀者も多い。
だから、いろんな手法を考える訳だけど、多くの受験生が受験する業者テストなら話が早い
ということで、事前相談で「優遇」という名の「確約」を出しているわけだ。
(千葉県の中学生なら「Sもぎ」や「Vもぎ」を利用することになる)
もちろん、過度な「特待優遇」による囲い込みが良いとは思わないよ。
ある意味、子どもの学力を利用して、学校が家庭にお小遣いを約束するみたいな話だから。
けどね、埼玉に関しては、冒頭でも書いたけど、中学校と私学による「入試相談」をかなり昔に廃止したんだから、
公立志願者の併願優遇によるすべり止めの安心感とか含め、やむを得ない側面もあるでしょうよ。
本気で私立に偏差値を使わせたくないなら、「偏差値を使うな」って言う前に、埼玉県が入試相談を復活させりゃいだけの話じゃんね。(中学の先生の業務が増えるから、まぁ無理だろうが)
何もかも私学の責任みたいにする向きは、正直違うんじゃないの?と僕は思う。


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