中国地方に近畿・東海地方が梅雨入り。関東も時間の問題だろう。
夏休みが近づいている。そうだ、「夏期講習」である。
早く要項を完成させなくては…。ちょっと尻に火がついている。
(と言っても、ほぼ出来上がってはいるから近日中には)
プラス進研の夏期講習、なんてことはない。
特別感は何もない、ごくふつうの(何が普通かは知らんが)夏期講習だ。
というのも、ぶっ飛んだものを見せつけられたから。
ちょっと前にSNSで盛り上がっていて、今日の日経新聞電子版でも記事になっていた。
ある塾で
「22泊23日」
の勉強合宿を実施
中受の小6と高受の中3が対象で、費用は約60万円。
はじめてSNSで見たときは目を疑った。しかし本気らしい。
自前の合宿施設を静岡かなんかに持っていて、そこでやるんだとか。
毎日12時間の勉強時間を確保
スマホは持ち込み禁止で、施設にテレビもないそうだ。
ほほぅ…….
やるねぇー
スマホ持ち込み禁止はいいねー
必要ないことがわかるから
塾の案内を見ると、いろいろとPRポイントがあるようだが、
・23日間、朝から夜まで規則正しい生活
これが最大の目的なんじゃないかと思う。
人は「習慣化」するためには約3週間(20日以上)かかると言われている。
習慣化に必要な日数をしっかり確保して、誘惑のない生活リズムの習慣化。
まさに、23日という日数は理にかなっている。
正直ね、合宿で4泊とか5泊して、毎日12時間勉強!とかなら、べつに塾内でもできるじゃん?
実際に、テスト前に12時間勉強とかやってるわけで。
夏休みなら学校がないからやろうと思えば毎日できる。
子どもは半分旅行気分だし、そこに20万円とか費用をかけて…
正直、社員のボーナス目的みたいになるし、懐疑的だった。
(同業の知り合いからその手の話もよく聞いた)
だから、4泊くらいなら、最小限の費用でサマーキャンプでもした方がよほどいいって思ってる。
けど、23日間、寝食を共にして生活リズムを矯正するというのは、
通塾ありきじゃできないもんね。
塾の人間はみんな思ってると思うよ、塾でどれだけ言っても、家に帰ったらおしまいと。
家できちんとそういう生活ができるならば、今の成績じゃないよと。
だから、家にも帰さない、帰れない場所へ連れていく。
まぁ、賛否両論だと思う。
ちょっと「否」の方が多いのかな。
けど、僕は、正直、すばらしいと思ったね。
でも、僕にはその覚悟がない。
だって、子どもたちを23日間、預かるってことはどういうことか。
ショートステイの合宿では起こりにくいトラブルの可能性もある。
(ちなみに、ショートステイだって自信がない)
23日後に家庭に帰すときに、子どもの笑顔を見せなくてはならない。
しかも子どもは1人,数人ではなく、大勢いるわけだ。
塾は子どもと長期滞在生活を送るという点でプロではない。
なのに、そのすべての責任をすべて背負う。これは相当な覚悟だと思う。
経験がないから余計にそう感じるのかもしれないが、想像を絶する。
いくら理にかなっているとはいえ、生半可な気持ちで
「22泊23日合宿やります!」
とはとても言えない。
塾側の視点で考えちゃったけど、保護者側の視点になっても相当な覚悟だろう。
23日間、我が子を他人に預けるのだ。
数週間の海外語学研修旅行なみの高額をかけて。
しかも、大手の塾だし、知っている講師ばかりじゃない。
通っている教室だけでなく、会社そのものへ信頼がないと。
学校の修学旅行だって2泊3日程度だというのに、その10倍なんだから。
心配にならないなんてことはあり得ないんじゃないかと想像する。
でも、本気で生活リズムを改善し、勉強の体幹を鍛えるなら、ここまでやりたいよね。
実際に、定員に達する勢いの申し込みがあるというんだから恐れ入る。
塾も家庭も相当な覚悟で預かり、預けるわけだ。
そこには子どもが強くたくましく成長する姿を思い描くのだろう。
一昔前までは「当たり前」だった塾の勉強合宿。
新型コロナを経験して、合宿を取りやめる塾が圧倒的に多い中、
むしろ拡大路線を歩むとは、そう簡単な話ではないと思う。
また、相応の需要があるということにも軽い衝撃を受けた。
将来の大学受験という「全国大会」で上位に食い込むための先行投資と言えばその通りか。
なるほど、
スポーツの世界では長期合宿だの全寮生活なんていうのは当たり前にあること。
そう考えれば、夏休み限定の勉強合宿22泊23日など、たいしたことじゃないのかもしれぬ。
こういう体験の積み重ねによる子どもたちの心身の成長も考えると
中途半端な思い出作りに終わる4泊5日で20万の合宿に比べれば、
22泊23日で60万の費用対効果は高いかもしれない。
長くなったが、プラス進研のみんなは安心してほしい。
何度も言うが、僕にはその「覚悟」がないのだ。
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