【ヒントがいっぱい】入試問題からのメッセージを注意深く受けとろう

勉強に関すること

これも昨日の社会科の入試問題の話。

大問1で「資料の読み取り」問題があった。

関東地方の1都6県を資料から読み取るって、千葉と埼玉を選ぶ問題。(完答)
(↓これ)

もちろん、各都県の「知識」が十分ならば迷うことなく解ける問題。

しかし、プラス進研の中3は、ほとんどの子が間違えた。
県教委から公表された正答率は26.4%。4人に1人が正解できたということだから、中学生には「やや難しめ」で少し思考力を要する問題と言える。
(完答だから正答率が下がるということも言える)

僕が話したのは、「思考力」というより、資料を「よく見る」こと、各都県を「イメージ」することが大切だよってこと。
細かい知識なんて持ってないんだから、資料から少しでも多くのヒントを探すって大切。
(だって、海岸線の長さとか海水浴場の数とか、知らないでしょ?)

まず、「埼玉県」は簡単にわかる。資料2で「海なし県」はBとC。
東京に近い埼玉県は人口が増えているという「イメージ」を持てれば、埼玉は「C」1択。
(これがわかると、Bは群馬、Aは人口が減っているから茨城とわかる)

で、千葉はDなのかEなのか。
ほとんどの子がここで間違えた。
「山地面積」「海岸線の長さ」に注目をして「E」を選んだと。
ここで、「ん?」と思ってほしかった、というのは大いにあるのだが…。

怖いのは「先入観」だ。
・東京は「24区」のイメージがあって、山が少ない
・東京は東京湾に面している部分しか海岸線がないから海岸線は短い
・千葉の方が半島で山も多くて海岸線が長いはずだ
というもの。

気持ちはよくわかるんだけど、よく見てもらいたかったのは、
・資料2の人口増減率
・資料4の地図の一部
だ。

まず、人口増減率。
Eは4.07%の増加で、神奈川や埼玉よりも高いというより、群を抜いて高い。
これって千葉なのか?
千葉は半島部や山間部で過疎が進んでいる実情(知らなくてもイメージする)もあるよね?って。
地図があるのだから、「イメージ」を正しい方向に膨らませてほしかった。

そして地図。
右下には”ご丁寧に”、「伊豆諸島」「小笠原諸島」「八丈島」まで載せている。
すべて所属は東京都だ。
「島」は四方を海に囲まれているから、島が多ければ海岸線が長くなる、という単純なイメージにたどり着ければ…ってところだ。

もちろん、こういったことすべてを「思考力」と言うのだろうけど、十分な知識があれば戦えてしまうし、そこまで高度な思考力を問うているとも言えない。

入試問題で出てくる資料って、問題を解く「ヒント」になるよってメッセージと受け取ることができると思う。
その「ヒント」をどのように受け止めるのか、また、「必要」「不必要」を判断するのは自分自身だけど、資料にはどんな意図があるのかとか、注意深く受け取っていくことで、解ける問題はおのずと増えていくはずなんだ。

もうひとつ、これは勉強の姿勢の問題。

この問題の資料に絡めて、いくつかの知識を話したんだ。
都道府県の問題は毎年出題があるし、正しくイメージするための知識とかをね。

時間にも限りがあるから、言葉で伝えることしかしなかったけど、
「メモを取る子」「宙を見つめて聞いている子」いろいろなんだけど、
ここでも、明らかに差が見える。

イメージせよ!
と言ったとて、最低限の知識がなければ、イメージの方向性はズレちゃうからね。
必要な知識を吸収していこうという姿勢があるのかないのか、これって大きいよ。

まだまだやれることはたくさんある。

知識が足りないなら知識の総確認から。
おすすめのやり方は授業中に伝えてあるから、あとは、やるかやらぬか自分次第だ。

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