これはちょっと大きな決断だった。
柏でプラス進研の看板にして、今6年目のシーズン。
そうだな…。
完全にやめたのは3年目からだから、今の体制にして4年目ってことになるかな。
そのやめたことって?
グループ授業を大学生に担当させること。
プラス進研の講師は卒業生ばかりだから、適当にやる講師はいないんだけど、やっぱり限界なのかなと。
前のブログでも書いたけど、学生講師の採用のハードルは、20年前と比べればかなり低くなった。もはや、「大学生」であれば誰でもいいですよ、みたいな塾だってある。
さらには、「高校を卒業していれば…」みたいな塾も知っている。(昔なら考えられん)
そんな時代だから、僕のところで働く大学生講師たちの友達にも、塾講師のバイトをしている子が増えてくる。
そうすると、友達が働く塾での待遇とどうしても比べるようになる。
で、その兆候は結構前から見えていた。
今から10年くらい前に、講師の大学生(もちろん卒業生)から、「進研の講師はルールが厳しい」とポロっと言われたことがある。
僕は、
「はっ?」
「子どもを預かるんだから普通のことでしょ?」
「あなたが中学生の時の講師も同じように接してくれていたはず」
と返した。
しかし、その子いわく、
「友達が働いている塾はもっともっとゆるい」
と。
たとえば、
「毎週曜日を固定されるのがキツイ」
「自由に(私用で)代講を出せない」
「服装や髪色の制限がある」
「授業の準備(予習)に時間がかかる」
「先輩講師たちのように寝る時間を削ったりして塾に割いたりはできない」
(⇒個別指導塾で働いている子は予習なんかしていない)
などなどなど。
要するに、大学生の講師に求めていたレベルが高い(当時はこれが普通で高いなんて思ってない)ってことだ。
(ちなみに、そのころの僕は大学生に、「塾の仕事」を「バイト」と言うのを禁止していた。「バイト」と言った瞬間に、意識が「切り売りバイト」に近くなり、「仕事」として捉えられなくなるから。)
しかし、僕たちが学生講師のころの「当たり前」はもはや通用しなくなってきていた。
で、さらに時は流れ、その風潮に拍車がかかった。
講師はみんな時給で働くから、どんどん「切り売り」になっていく。
(極端な話、拘束時間1分単位で給与が欲しい!みたいな。)
もちろん、過去の塾業界(塾に限ったことじゃないと思うけど)は、社員はもちろん、大学生であろうとタダ働きは当然のごとくまかり通っていて、塾側が講師に甘えすぎていた部分(授業準備には給与は発生しないとか)も否めないけど、すべてが「カネ」「カネ」となっては、やはり教育という性質上いかがなものかと葛藤があった。
しかし、社会全体の流れもあるから、やむを得ない部分もある。
だからと言って、流行りつつある個別指導塾の講師管理システムのような「コンビニバイト感覚」「ホスト感覚」で、子どもに接せられては困る、というかそれは言語道断。
どうしたものか……
しかし、そんなことを考えている時間があるなら、もっと目の前の子どものことを見なければ……。
そんなこんなで、決めたんだ。
大学生講師にとって負担が大きくなる(プラス進研ではならざるを得ない)グループ授業は、僕と小野田の2人でやろうと。
大学生たちの仕事は、子どもたちと年齢的に近いというメリットを活かして、テストの採点や自習の管理、ちょっとした質問対応など、特別な準備を要さない範囲に限ろうと。
その方向で授業や自学の時間を組み立てていき、毎日通塾のシステムも成立していった。
もちろん、しっかりと大学生講師を管理している塾もあるだろう。
でも、求めるものが高ければ高くなるほど、現代の大学生には荷が重くなって、離職率が上がるリスクをはらむ。
塾を選ぶ際にはその辺のこと(大学生を講師として雇うのか、雇うならどこまで生徒に責任を持たせるのか)も気にするといいんじゃないかな。
僕の知る限りでは、コンビニ感覚で、毎週のようにシフト提出して、自分の都合で働ける日に働くっていう個別指導塾がかなり多い。
それでいいのかどうか、その対価が本当に相応かどうか、しっかり判断できるようにしたいよね。
少なくとも、額面だけに踊らされないことだ。
だって、安さにも高さにもちゃんと「理由」があるんだから。
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