まず、受験と言うのは「合格」と「不合格」がある。
よく言うのは、「不合格」の受験生がいるから「合格」の受験生がいる。
それは当たり前のことだから、このくらいにしておいて。
先週、訪問した高校の先生と「ミスマッチ」しないための重要な要素の話になった。
この高校は入学者の大半が「併願者」なんだそうだ。
言い換えれば、「第一志望の高校を『不合格』になった子」だ。
ここはレベルの高い中高一貫校だから、名前を出せば意外に感じる人も多いかもしれない。
で、高校から入学してくる併願の生徒はやはり「ミスマッチ」が多いと。
前にも書いたけど、「高校をよく調べていない」とかそういうことも要素としてもちろんあるが、私学全体で見た時に高校入試組にミスマッチが多いのは、別の要素もあるんじゃないかと先生はおっしゃたた。
その要素というのは……
「併願推薦」
この制度は、受験生が「勉強しなくなる」制度じゃないかと。
(=必死に勉強しなくても許される制度)
併願でも「入試相談」が行われて、合格がある程度約束されるので、「安心材料」になってしまって、受験勉強が中途半端になる子が多くなるというのだ。
中学入試の場合は、学校間の入試相談もないから、受験生はみんな必死だけど、高校受験からはそれを感じない子も多いとか。
なんとなく「第一志望」を決めて、
自分の内申点に照らし合わせて(選べる範囲から)「併願校」を決めて、
一般受験をチャレンジする子は少数になっている。
最悪(=不合格)でも「高校生にはなれる」という意味不明な安心感が、
受験勉強の質を下げて、中途半端なものになる。
先生のおっしゃる通り!
完全に同意だ。
そもそも僕は「併願推薦を廃止せよ」が持論だからね。
で、その時に出た「ミスマッチにならない条件」は……
「命をかけるくらい必死に受験勉強する」
「とにかく『行きたい学校』のためにやり切る」
要するに、たとえ第一志望校が不合格でも、
「これだけ必死にやった結果だから」
と悔いを残さず「納得」するところまでできるかどうかだ。
高校受験を必死に戦い抜いて入学する子は、たとえ併願であっても、入学するときはしっかり切り替えて前向きに高校生活を送ることができている。そして、進路で挽回して卒業する子が多い。
「やり切った」経験をしている子は、大学受験でも「最後までやり抜く力」をもっているのだそうだ。
逆にそうじゃない子は、やり切った経験がないから、大学受験でも中途半端な勉強しかできずにふたたび辛酸をなめる結果になりやすい。
中高一貫の生徒が大学受験で強いのも、カリキュラム云々もあるけど、「やり抜く力」を中学受験を通して培ったから、それが体に染み込んでいるのだとか。
なるほど、これは中学受験のメリットだね。
あ、だけど、「どこか近くの私立中学に入れれば…」みたいな感覚で中学受験した子は除く。
だって、そういう学校は進学実績だってそういう感じでしょ。
入学後に高め合える環境がないからね。意味がない。
「やり抜く力」を持つか否か。
私学の現場で先生方が感じているのだから間違いないだろう。
勉強だけじゃなく、何事も「最後までやり抜く」ことの大切さを改めて感じた1日だった。
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