この写真は、新潟県は佐渡島、佐渡金山のシンボル「道遊の割戸」だ。
今から400年以上前の江戸時代、徳川幕府の財政を支えた佐渡金山では当時、人間が「手作業で」山を掘り、金を求めた。
金鉱石が露出していた標高252mの山肌を、”露頭掘り”と言って、山頂から手掘りで掘り進めた結果、山を真っ二つに割いた。
機械が割いたんじゃないよ。人の手が割いたんだ。
私は佐渡を訪れる度に、この異様な姿を見に行く。人間の飽くなき欲望を感じて自分に刺激を与えるために。
さて、佐渡金山の”すごさ”について語り始めると、夜が明けてしまうほど長くなってしまうので、やめておこう。今回は。
じゃあ、どうしてこの写真を出したかって?
まさか、佐渡金山のPR、写真を見せたかっただけ?
確かに、眠っている大量の写真も紹介したいよ。佐渡、本当にいいところだから。
だけど、今回はちがう。
山を崩すほどに欲を出して、勉強したことある?
ってこと。
金を掘るために山の形を変えてしまったことが良いか悪いかはわからない。
だけどね、それほどに欲を出して、命がけで堀った証が、まさにこの割戸なわけ。
勉強だって、大きな目標や目的のために欲を出して、必死に取り組めば、その証が何らかの形になって残るものだと思う。
道遊の割戸が「国の重要文化財」だから価値があるのではなく、「人間の深い欲望と努力の証」だから価値があるんだ。
そして、スケールなんて関係なくて、みんながそれほどの思いを持って熱心に勉強した証には、かけがえのない価値が生まれるはずだよ。
そして、それはみんなの財産だ。
最後はお約束の?PR
最後の1枚は割戸の直下。上部の割けた部分は江戸時代に、直下の穴が開いた部分は明治から平成元年の休山まで、採掘が行われた。佐渡金山400年の歴史がここにつまっているんだ。
コメント